
「顔の天才」チャ・ウンウとの1対1のロマンスが始まる。しかし本物ではない。仮想現実の中でチャ・ウンウが私に「愛してる」と言う姿をなんと「1列目」で直に体験できる。
先日17日、ソウル市龍山区に位置するCGV龍山アイパークモールで「チャ・ウンウVRコンサート:メモリーズ(CHA EUN-WOO VR CONCERT : MEMORIES)」のメディア試写会が開催された。この作品はグループASTROのメンバーであり俳優でもあるチャ・ウンウの初のVRコンサートで、感情の物語を描いた一篇のロマンスファンタジーだ。
音響システムを備えた専用上映館に入場し、VRヘッドセットを装着する瞬間、12K解像度の実写撮影を基に仮想現実で再現されたチャ・ウンウが目の前に現れる。チャ・ウンウはときめき、愛、別れ、記憶をテーマにしたロマンスの主人公として登場し、観客は相手役となる。
今回のコンサートでは、既存のVRコンテンツでは見られなかったロマンスファンタジーの物語と音楽パフォーマンスを有機的に結合した。1篇のドラマのように構成された公演で、チャ・ウンウは演技と音楽を行き来し、俳優と歌手の二つの側面をすべて消化する。
観客が公演を鑑賞するだけでなく、ストーリーと結末を共に作るという試みも印象的だ。観客は観覧中に思い出の品、写真、場所など次のシーンの手がかりとなる要素を選択し、それに応じて展開が変わる。観客が物語を完成させる主体となるという点が、既存のVRコンテンツとのもう一つの違いだ。

ストーリーはアロハ(ASTROファンダム)に振られたチャ・ウンウの物語から始まるが、予想される結末だ。あまりにもありきたりなストーリーのため、次の内容が気にならない。ただし、実物と区別がつかないほど精巧に作られたチャ・ウンウは、温かさと冷静さを行き来する表情でストーリーラインに応じて変わる感情線を繊細に描き出す。
チャ・ウンウが歌を歌いパフォーマンスをするシーンでは、豊かなサウンドが耳をつかむ。しかし、あまりにも完璧な音響が逆に人間味がないと感じられる。オフライン公演の臨場感を感じたい観客には失望するかもしれない。実演コンサートではなくVRコンサートである点に注意が必要だ。
VRコンテンツ自体から来る欠点も存在する。上映館に設置されたVRヘッドセットがやや重く、快適にコンサートを鑑賞するよりも首に力を入れた状態でランタイムを消化しなければならない。また、途中で焦点が合わず目が疲れ、めまいのある観客は乗り物酔いの症状が出る可能性がある。
それでもチャ・ウンウのファンなら一度は見る価値がある。漫画よりも漫画のようなビジュアルを持つチャ・ウンウを1cm前で見ることができるのが最大のメリットだ。さらに、仮想現実の中でチャ・ウンウとのロマンスを体験できるなんて。58分のランタイム程度は我慢できる。
18日CGV龍山アイパークモール・延南で公開。ランタイム58分。
[イ・ダギョム スタートゥデイ記者]