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スジ、これほど魅力的な感情欠如の人間とは(『すべてが叶う時』)

LEE Dakyum
入力 : 
2025-10-07 11:41:17
スジ。写真lネットフリックス
スジ。写真lネットフリックス

奇妙で美しいスジの魅力から抜け出せない。

先日3日に公開されたネットフリックスシリーズ『すべてが叶う時』は、千年以上ぶりに目覚めたキャリア中断のランプの精霊ジニ(キム・ウビン役)が、感情欠如の人間カヨン(スジ役)と出会い、3つの願いを巡って繰り広げるストレスゼロのファンタジーロマンティックコメディだ。

前世と現世を横断するジニとカヨンの長い物語を描いた『すべてが叶う時』は、作品公開と同時に話題を呼び、ドキドキと笑い、切なさがすべて詰まった二人の物語で視聴者を魅了している。

劇中、スジは反社会的人格障害を持つ「カヨン」を演じた。祖母の手で育てられ、祖母の教育的「ルール」と「ルーティン」を守りながら生きるキャラクターだ。「サイコパス」と呼ばれるが、「人間の善意」という内面的な要素を持つ非常に珍しいキャラクターとも言える。

カヨンは非現実的な状況の前でも無表情で、3つの願いを叶えるという甘い誘惑にも無反応だ。そんな彼女がジニと出会った後、展望台の頂上に登り、死ということに興味を持つようで、「チャンスが来た」と見せた「本当の喜び」という奇妙な笑いは、すぐにでも何かを引き起こしそうな不気味さと異質感を感じさせた。

しかしカヨンは、相手が言うことをそのまま受け入れようと努力し、自分を愛で育ててくれた村の人々と上手くやり取りし、約束は必ず守る。善と悪が共存する複雑な人物をスジは軽々しく嫌うことのできない非常に魅力的なキャラクターに仕上げた。

スジ。写真lネットフリックス
スジ。写真lネットフリックス

名実ともにロコクイーンのスジの面貌も際立っていた。9年ぶりの再会を知らせたキム・ウビンとのドキドキ爆発のケミは、視聴者を見ている間中笑顔にさせた。面倒なほど願いに執着するジニに対して暴力を振るうこともあり、会うたびに言い争うカヨンだが、キスの魅力にハマり、ジニが決めたルールとルーティンだけを待つ彼女の姿は可愛らしさを引き起こし、作品の面白さを増した。

無表情なカヨンだが、スジの繊細な演技が加わり、ドキドキと興味がそのまま伝わった。何よりファンタジーなセリフまで味わい深く消化し、同じシーンをもう一度見たくなるようにさせた。

感情が欠如したキャラクターであるため、外見だけではキャラクターが感じる心を伝えるのが難しいかもしれないが、スジの努力が光り、視聴者がさらにキャラクターの感情に満たされるようにした。

これはスジがこれまで披露してきたキャラクターたちの魅力と言えるが、作り上げるキャラクターごとに見る人々に応援したくなり、抱きしめたくなるような才能がある。キャラクターの角ばった部分まで愛せるのは、スジの繊細なキャラクター分析がうまく溶け込んで表現されているからだ。

多くのキャラクターが登場する今回の作品で、スジは出会うキャラクターごとに新しいフィット感のあるケミを披露する。前世と現世を行き来し、全く異なる性格の人物を見せるまで、色とりどりで魅惑的なスジの魅力はネットフリックスシリーズ『すべてが叶う時』で確認できる。

[イ・ダギョム スタートゥデイ記者]

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