
「歌王」チョ・ヨンピルが28年ぶりにKBS単独ステージに立ち、全世代を癒した。
先日6日に放送されたKBS2光復80周年特集「チョ・ヨンピル、この瞬間を永遠に」は、最高視聴率18.2%(ニールセンコリア基準、2部基準)を記録し、同時間帯1位を獲得した。これは中秋連休の放送プログラムの中で最も高い数値であり、「国民歌手」チョ・ヨンピルの威厳を再び証明したことになる。
この日のステージはまさに「チョ・ヨンピルワールド」だった。最初の曲「未知の世界」を皮切りに「見つけられないウグイス」、「ショートヘア」、「窓の外の女」、「その冬の茶屋」、「モナリザ」まで、名曲が途切れることなく続いた。客席はもちろん、リビングの1列目まで皆が合唱で応えた。
ステージは徹底的にチョ・ヨンピル中心に組まれていた。ゲストなし、ただ自分の歌だけで構成された公演。75歳の年齢にもかかわらず、一瞬たりとも乱れない体力と歌唱力は観客はもちろん視聴者を驚かせた。
特に「それでもいい」ステージは放送最高視聴率を記録した場面だった。「大丈夫、でもいい」という慰めのメッセージは疲れた人々に温かい響きを伝えた。放送後、オンラインでは「胸が締め付けられた」、「涙が出た」という反応が続いた。
ステージ裏のインタビューでチョ・ヨンピルは音楽に対する哲学と信念を明らかにした。彼は「声は歌わなければ老化します。だから声をしっかり作っておかなければなりません。方法は練習です。本番前に本当に「厳しく」やります」と述べ、「音楽以外に知っていることはありません、私の人生に」と告白した。
「夢は何ですか」という質問には「ステージで死ぬこと。それが実際のロマンです。歌いながら死ぬならどれほど幸せでしょう。私の夢です」と語り、深い余韻を残した。
この日の公演は「プライド」、「あなたに」、「虚空」、「Q」、「帰ってきて釜山港に」、「風の歌」など時代を貫くチョ・ヨンピルの名曲で満たされた。公式エンディング曲「モナリザ」の後も観客の歓声は止まらず、チョ・ヨンピルは「キリマンジャロの豹」、「バウンス」、「旅に出ます」をアンコールで披露し、熱い夜を締めくくった。
ステージを包むKBSの演出力も光った。超大型LEDとCG、照明、応援棒が加わり、公演の没入感を高めた。字幕フォント一つにまでこだわりの跡があちこちに見られた。
今回の公演の裏話を収めたドキュメンタリー「チョ・ヨンピル、この瞬間を永遠に - あの日の記録」は、8日午後8時にKBS2で放送される。続いて同日午後9時には未公開ステージ「友よ」が追加された特別版が放送される予定だ。