
俳優イム・ビョンギが50年の時代劇人生を詰め込んだ詩集『千年の想い』を出版した。
全4部で構成された詩集は、1部「苦難の中でも歴史は流れる」、2部「俳優、歴史に出会う」、3部「伝説となった俳優」、4部「俳優、舞台の外を生きる」で構成されている。
特に印象的な作品としては「血の大地の真実」と「サイレンの響き」がある。「血の大地の真実」はKBS『太祖王建』の撮影中に実際に俳優が不発弾に負傷した事件を題材にし、歴史と演技の境界を越え、生死の現場を描写した。
また「サイレンの響き」は撮影中に救急車のサイレン音と光に重なった生の不安、反省、祈りを詩的な言葉で表現した。
イム・ビョンギは「いつか記録したい瞬間、言葉では伝えきれなかった心を詩に残したかった」と述べ、「この詩集は私だけの物語ではなく、一緒に過ごした仲間たちと時代を生き抜いた芸術家たちの記録だ」と明らかにした。
続けて「大河時代劇は生きた歴史であり、私の先祖の生活が今日の私を作ったことを舞台の上で何度も感じた。その貴重な経験が続いていくことを願っている」と大河ドラマの伝統の継続を望んだ。
『千年の想い』は単なる俳優の記録ではなく、演技の激しかった瞬間や歴史的人物を「生きていた」感情の結末までしっかりと捉えている。
俳優という存在が芸術と生活の境界でどのように時代を超えていくのかを示す生々しい文学的証言として評価されている。
今回の詩集についてKBS『太祖王建』や『大祚榮』などを演出したキム・ジョンソン監督は「撮影が終わった後も消えない情熱の記録であり、正統時代劇の一時代を証言する貴重な文学」と評した。
俳優チェ・スジョンは「俳優の人生を夢見る人々に、真の時代劇の重みを記憶する人々に温かい慰めと響きで近づいてほしい、その伝統が引き継がれることを願う」と推薦した。