女優全智賢(43)が出演中のディズニープラスのオリジナルシリーズ「北極星」に関するセリフについて、中国のネットユーザーたちが激怒している。ただし、現在中国国内では「北極星」が配信されている「ディズニープラス」ストリーミングサービスは「正式」にサポートされていない。
21日(現地時間)香港の現地メディアは最近、中国のソーシャルメディアで「北極星」の主演を務める全智賢が劇中で「中国はなぜ戦争を好むのでしょうか。核爆弾が国境地帯に落ちるかもしれないのに」と言うシーンが編集されて流布されていると報じた。
問題のシーンは第4話に登場した。劇中の国連大使出身の大統領候補、ソ・ムンジュ(全智賢分)は「中国はなぜ戦争を好むのでしょうか。核爆弾が国境地帯に落ちるかもしれないのに」と言った。この他にも撮影地が香港のスラム街であり、劇中で中国の大連として設定されている点、中国を象徴する星5つの模様のカーペットが踏まれるシーン、悪役が中国語を使う設定などを挙げて「ドラマが中国に対する否定的なイメージを植え付けている」と主張している。さらには全智賢が劇中で李白の詩を詠む際に発音をわざと歪めたという主張まで登場している。

これに対し、中国のイメージを歪めて侮辱したという主張がオンラインで広まり、ウェイボーなど中国のソーシャルメディアを中心に激しい非難が続き、これは広告にも波及した。全智賢がモデルを務める化粧品や時計ブランドなどの広告が中国で削除され、不買運動まで起こっていると知られている。一部では「韓国の制限を解除すべきではない」という主張まで出ている。
もちろん「文脈なしに一部のシーンだけが広がり誤解が生じた」として、セリフの前後の文脈をすべて見るべきだという意見も存在するが、激しい世論を鎮めるには弱い状況である。
しかし、中国ではディズニープラスやネットフリックスなどが正式にサービスされていない。迂回チャンネルで接触できるとはいえ、正式サービスが行われていない限り、中国で「北極星」を見るほとんどの方法は「不正視聴」に過ぎない。
このような現実の中で、「不正視聴」に対する問題を全く認識していない一部の中国のネットユーザーたちは、世界中で愛されているネットフリックスの「イカゲーム」シリーズや「ムービング」などに対して即座に反応を示している。
これだけでなく、最近ではバラエティ番組「白黒料理人」を模倣した料理競演バラエティが中国で制作される一方、著作権や肖像権を無視した違法グッズまで流通し、論争が起きることもあった。
これについて、ソ・ギョンドク成信女子大学教授は何度も「今や中国国内での『不正視聴』は日常となっており、恥ずかしさを感じていないということがさらに驚くべきこと」とし、「不正視聴にとどまらず、肖像権まで侵害し、自分たちの収益構造にしているのは本当に情けないことだ」と何度も批判の声を上げている。
[キム・ビンナ MKスポーツ記者]